駅のホームに、小さなメモ帳が落ちていた。
表紙には「大事なこと」とだけ書かれている。
通りすがりの青年が何気なく拾い、中身を開いた。

1ページ目にはこう書かれていた。
「このメモ帳を拾ったあなたへ」
青年は驚きつつも、次のページをめくる。そこには続きがあった。
「この先に書かれていることを守れば、人生が大きく好転します。
ただし、破ったり捨てたりすると、ひどい不幸が訪れるでしょう。」
冗談だと思いつつも、興味が湧いてページを進める。
「1. 毎朝早起きして、10分間のストレッチをすること。」
「2. 週に1回、大切な人に感謝を伝えること。」
「3. 自分が本当に欲しいものを、リストアップして優先順位をつけること。」
どれも普通の自己啓発のような内容だ。
だが最後のページには、こんな一文が記されていた。
「これを実行し、1ヶ月後にこの駅のホームにメモ帳を戻してください。
それが守られない場合、あなたの人生は不可解な方向へ進むでしょう。」
青年は軽い気持ちでメモ帳に書かれたことを試してみた。
すると驚くべきことに、1週間後には仕事で表彰され、
さらに1ヶ月後には好きだった女性から告白された。
すっかり効果を信じた青年は、1ヶ月後にメモ帳を駅に戻すことにした。
しかし、ホームに着いた瞬間、ふと思う。
「これ、手元に置いといたら、もっといいことがあるんじゃないか?」
その夜、青年の部屋から突然電球がすべて切れた。
そして翌日、会社が突然倒産。
さらには告白してきた女性から「ただの冗談だった」とメールが届く。
慌てた青年は駅に向かい、メモ帳を元の場所にそっと置いた。
数日後、別の誰かがそのメモ帳を拾い上げる。
「このメモ帳を拾ったあなたへ」
そしてまた、物語は始まるのだった。


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