SNSがざわついた。
「コミケで放火する」「某クリエイターを殺す」
──犯行予告が投稿され、世間は一気に緊張した。
投稿者はAIを擁護するアカウントで、「AI賛成派が暴走した」と大騒ぎになる。

テレビのコメンテーターたちは口々に非難した。
「AIは便利ですが、一部の人間がこうした暴力的な行動に出るのは問題です」
「AI推進派のモラルが問われますね」
その数日後、警察は投稿者を逮捕した。犯行の詳細がニュースで報じられる。
「逮捕されたのは無職の男、SZK容疑者(仮名)。
彼の自宅からはAIに関する否定的な資料が多数押収されました」
さらに、SZK容疑者は取り調べで驚くべき動機を語った。
「AI賛成派を潰したかった。
あいつらが危険な集団だと世間に思わせれば、AIの普及も止まると思ったんです」
報道は一転し、世間は混乱する。
「つまり、AI賛成派の評判を落とすための狂言だった?」
「反AI派のやり方がこれでは、どちらが危険かわからないですね」
しかし、このニュースは翌日以降、ぱたりと話題に上がらなくなった。
「AIの話はもういいよ」「どっちも面倒だ」
そう呟く声が増え、事件は忘れ去られていく。
数週間後。
SNSで新たなトレンドが生まれた。「今度のコミケ、AIイラスト本が増えるってよ」
人々は何事もなかったかのように日常へ戻っていく。
SZK容疑者の独房では、彼の呟きだけが空虚に響いていた。
「こんなはずじゃなかったのに……」


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