その日、ツイッターのトレンドに「ネットde真実」という言葉が躍り出た。
かつてこの言葉は、
インターネットで根拠の薄い説、特に陰謀論じみた話を鵜呑みにし、
「ネットこそが真実を語る場だ!」と主張する層を揶揄する蔑称として使われていた。
だが、この日、言葉の意味は奇妙な形で反転していた。

きっかけは、マスコミの報道だった。
アメリカ大統領選挙でのハリス氏優勢報道が、
実際にはトランプ氏の圧勝で終わる。
さらには、
兵庫県知事・斎藤元彦氏が「おねだり」をしたというニュースが流れたが、
後に「おねだり」先とされた相手が完全否定し、
報道が事実無根であることが発覚するなど、デマや誤報が相次いだ。
その一方で、ネット、特にツイッターでは、
こうした誤報をいち早く指摘する投稿が多く見られた。
「ハリス優勢?そんなわけないだろ!」
「斎藤元彦のおねだりはデマだ!」
ネットの住人たちは次々と真実を掘り起こし、拡散した。
結果、皮肉にも「ネットde真実」という言葉がトレンド入りする。
「オールドメディアなんてデマばっかりだ!ネットの方が正しいじゃないか!」
そんな声が溢れる中、言葉の背景を知らない若者たちが呟く。
「ネットde真実って、いい響きだよね!」
数年前、この言葉を皮肉の意味で使っていた人々が、
それを目にして複雑な表情を浮かべる。
だが、時代の流れとともに言葉の意味は変わりつつあった。
そして今日もまた、ツイッターでは誰かが新たな「真実」を拡散している。


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