あらすじ:
ある日突然、世界中の人々が全員関西弁を話し、
関西人のようなノリとツッコミを持つようになった。
朝のニュース番組では、キャスターが「おはようさんやで!」と元気よく挨拶し、
国連の会議では、各国の代表がボケとツッコミを繰り広げる。
そんなカオスな世界で、
唯一標準語を話す主人公が巻き起こす騒動を描いたコメディ作品。

本文:
「おはようございます」
いつものように標準語で挨拶をした僕は、周りの異様な雰囲気に気づいた。
「おはようさんやで!って、アンタ、なんでそんなカタイ挨拶してんねん!」
隣の席の山田さんが、けたたましい関西弁で突っ込んでくる。
「え?おはようございます、ですけど…」
「なんですけど、ちゃうわ!ここは日本やろ?日本人はみんな関西人や!
なんでアンタだけ標準語やねん!」
山田さんの勢いに圧倒されていると、後ろの席の田中さんが話しかけてきた。
「せやせや!アンタ、ノリ悪いんちゃうか?もっと笑ろた方がええで!」
周りを見渡すと、クラスメイト全員が関西弁で楽しそうに話している。
先生も例外ではなく、黒板の前でノリノリで授業をしている。
(一体何が起こっているんだ…?)
僕は混乱しながらも、なんとか授業についていこうとした。
しかし、先生の授業はもはや漫才のようで、内容が全く頭に入ってこない。
「はい、ここで問題です!この方程式の答えはなんでしょうか!」
先生がそう言うと、生徒たちからは一斉にボケとツッコミが飛び交う。
「そんなん、決まってるやん!答えはアホや!」
「なんでやねん!ちゃんと計算せえ!」
「計算した結果がアホやってん!」
(もうダメだ…)
僕は頭を抱えながら、教室を飛び出した。
廊下に出ると、そこもまたカオスな状態だった。
「ちょっと、そこのお兄さん!時間ある?面白い話があるんやけど!」
「いや、今急いでるんで…」
「そんなん言わんと、聞いてってや!絶対笑えるで!」
僕は必死でその場を後にし、逃げるように家に帰った。
しかし、家に帰っても状況は変わらなかった。
「おかえり!って、アンタ、顔色悪いけど、なんかあったんか?」
母親も関西弁で話しかけてくる。
「お母さんまで…一体どうなってるの?」
「何言うてんねん!世界はみんな関西人になったんやで!
アンタだけ知らんかったんか?」
(世界が…全員関西人に…?)
僕は絶望的な気持ちになりながら、テレビをつけた。
そこには、関西弁でニュースを伝えるキャスターの姿が映っていた。
「さて、今日のニュースです!
まずは、世界が全員関西人になったニュースからお伝えします!」
(やっぱり、夢じゃなかったんだ…)
僕はテレビを消し、ベッドに倒れ込んだ。
明日からは、このカオスな世界でどうやって生きていけばええんやろか…。


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