ある村に奇妙な病が流行した。
その病は、感染者が突然緑色の斑点を浮かべ、体中が痒くなるというものだった。
しかし、数日後には症状が消え、再感染しないという特徴があった。

村の賢者たちはこの病を「免疫病」と呼び、村人にこう呼びかけた。
「全員でこの病に感染すれば、もう誰も苦しまないのじゃ!」
初めは皆、恐れていた。
しかし、一人感染し、何日かで元気に戻る様子を見て次々と感染を試みる者が増えた。
最初は苦痛だったが、村全体が協力し、
みんなで掻きむしり合う「助け合いイベント」が生まれるほどに団結した。
やがて村人全員が病を経験し、完全な「集団免疫」が達成された。
村には笑顔が戻り、賢者たちは胸を張った。
だが、その数ヶ月後、新たな病が現れた。
今度の病は、体中が青色の斑点で覆われるものだった。
村人たちは顔を見合わせ、困惑した。
「…これは、またみんなで掻きむしるイベントを開催すればいいのか?」
賢者たちはしばらく黙っていたが、重い口を開いた。
「いや…今回は、そう簡単にはいかぬようじゃ。
どうやら青と緑の混ざった斑点を持つ者が現れると、大変なことになるらしい…」
その村は、
新たな「集団免疫」を目指すか、他の手段を探すか、
今なお悩み続けている。


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