ケンジは小さな文房具店で不思議なペンを見つけた。
店の隅に埃をかぶって置かれていたそのペンには、
何やら古めかしいラベルが付いており、
「このペンで書くと、あなたに幸運が訪れる」と書かれていた。
「まさか、こんなもので幸運が得られるわけがないだろう…」
そう思いながらも、ケンジはそのペンを手に取った。
値段も手頃だったし、少しでも運気が上向くなら良い、と軽い気持ちで購入したのだ。
家に帰ったケンジは、ペンを使って適当なメモを取ってみた。
特に何かが変わるわけでもないし、ペンの書き味も普通だった。
翌日、仕事中に突然上司から声をかけられた。
「ケンジ君、君にチャンスをあげたい。
大事なプロジェクトのリーダーをやってみないか?」
驚いたケンジは、前日書いたメモを思い出した。
それがペンのおかげなのかは分からなかったが、幸運は確かに訪れたようだ。
それからというもの、ケンジの周りで良いことが続いた。
仕事では評価が上がり、友人との関係も良好になり、何をやっても順調に進む。
数ヶ月後、ケンジはこの「幸運のペン」を友人のユリにプレゼントすることにした。
ユリは最近元気がなく、悩みを抱えていたからだ。
「このペンを使うと、幸運がやってくるよ。」
ユリは半信半疑で受け取ったが、数日後には笑顔でケンジに感謝を伝えてきた。
「ケンジ、本当にありがとう。
このペンのおかげか分からないけど、最近は前向きに考えられるようになって、
少しずつ運気が上がってきた気がするの!」
ケンジは心の中で微笑んだ。
ペンそのものが何か魔法のような力を持っていたわけではない。
しかし、ペンを手にした瞬間から、
彼は前向きに行動し、周りに優しく接するようになっていた。
ユリも同じだった。幸運は、道具ではなく、心の持ちようからやってくるのだ。
こうして、ケンジとユリはお互いに支え合い、
さらに多くの幸運を引き寄せながら、幸せな日々を送ることができた。
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